日本生殖医療心理カウンセリング学会

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第1回日本生殖医療心理カウンセリング研究会・学術集会について

第1回日本生殖医療心理カウンセリング研究会(JAPCRM)学術集会開催報告
JAPCRM幹事長:柴原 浩章

 わが国における不妊患者へのサポートシステム確立の遅れ、「心のケア」の問題についてはまだ十分な方向性を得ているとはいえない現状から、心理カウンセリングについての学術的研究の向上を目的として、東邦大学医学部第1産婦人科の久保春海教授を代表世話人に、東京HARTクリニックで臨床心理士としてご活躍の平山史朗先生を副代表世話人にご就任いただきまして、2003年秋に日本生殖医療心理カウンセリング研究会(以下 JAPCRM:The Japan Association of Psychological Counseling for Reproductive Medicine、事務局:ヒューマンリプロ・K)が発足致しました。

 平成16年2月15日に日本都市センターホテル・オリオンにおきまして、第1回JAPCRM・学術集会を予想を上回る195名のご出席のもと、盛大に開催させていただきました。なお職種別参加者数を表1にお示し致します。学術集会プログラムは、生殖医療の現場ですぐにでも役立つ内容を目指し特別講演、教育講演、招請講演のほか、教育セミナーシリーズ、ワークショップなどを企画致しました。

 記念すべき第1回JAPCRM大会会長でもある久保代表世話人からの開会ご挨拶に続き、平山副代表世話人から本研究会設立の経緯についての報告がありました。続いての教育セミナーシリーズでは、京野廣一先生(レディスクリニック京野・理事長)と黒田優佳子先生(黒田インターナショナルメディカルリプロダクション・院長)のお二人による司会のもと、臨床医としてのお立場から小田原靖先生(小田原レディスクリニック・院長)に患者サポートシステムの確立の必要性から「生殖医療の現状と問題点」について、また、臨床心理士のお立場から平山先生にカウンセリングの国際的な流れの中から「生殖医療心理カウンセリングの心得」と題して講義をお願い致しました。

 次いで久保大会会長による座長のもと、米国ミネソタ大学医学部産婦人科助教授で、ミネアポリス生殖医療センターカウンセリングサービス所長の Dr. Linda Hammer Burnsに、「An overview of infertility counseling today」と題して招請講演をお願い致しました。Burns先生は世界的に見ても不妊カウンセリングの教育プログラムは数えるほどしかないことを指摘され、わが国の生殖医療心理カウンセリング部門がますます発展していくことに期待し、たいへんご多忙な中、JAPCRMの立ち上げを祝してお越し下さいました。

 ランチョンセミナーでは、座長の鈴木秋悦先生のもと、IVFなんばクリニック院長の森本義晴先生が、「IVFクリニックにおける生殖カウンセリングの必要性」と題し、不妊症のストレスは複合的であって、患者にとってたいへん辛いものであるという視点に立ち、「Friendly IVF」を実践するためにはカウンセリング部門の設置が不可避であることを強調されました。

 午後の部の特別講演では不妊体験者支援グループ・Fine代表の松本亜樹子氏から、「患者から見た生殖心理カウンセリングの必要性」と題しましてご講演をいただきました。ご講演後、座長の高橋克彦先生(広島HARTクリニック・院長)と平山史朗先生らを交え、活発な討論が繰り広げられました。

 続いて座長の森 崇英先生のもと、広島大学大学院教育学研究科心理学講座の兒玉憲一教授に、「先端医療が生み出す新たな心の問題とカウンセラーの役割」と題してHIVカウンセリングの現場の経験を通じ、心理カウンセリングに対して、貴重な教育講演をしていただきました。

 最後のワークショップでは、宇津宮隆史先生(セント・ルカ産婦人科・院長)と金城清子先生(津田塾大学教授)のお二人による司会のもと、生殖医療の現場で実際に心理カウンセリングを行う3名の先生方に、ご講演いただきました。
 上野桂子先生(セント・ルカ産婦人科)、増田千景先生(IVF大阪クリニック)と平山史朗先生から、それぞれのご経験をもとにご出席の方々との活発な討論を通じ、たいへん実践的な対処法についてお話しいただきました。

 閉会の辞を第2回JAPCRM・学術集会の大会会長をお引き受けいただいております高橋克彦先生よりお話しいただき、第1回JAPCRM・学術集会は閉会となりました。
 

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